「一人親方だけど、もっと大きな仕事を受注したい!」
「500万円以上の工事を取りたいけど、許可取得は難しそう…」
この記事では、建設業許可の基本から、個人事業主ならではのメリット・デメリット、具体的な手続きの流れ、必要書類、費用、注意点まで、具体例を交えながら行政書士が解説します。
なぜ建設業許可が必要?個人事業主が知っておくべきこと
建設業を営む個人事業主が、以下の規模の工事を請け負う場合、建設業許可が必要です。
- 建築一式工事: 1件の請負代金が1,500万円以上(税込)、または延べ面積150㎡以上の木造住宅工事(木造住宅とは、主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上を居住の用に供するもの)
- 建築一式工事以外: 1件の請負代金が500万円以上(税込)
建設業許可は、単なる許可証ではなく、事業の信頼性を担保し、競争力を高めるための重要な経営戦略ツールです。適切な許可取得は、事業の持続的成長に不可欠です。
個人事業主が建設業許可を取得するメリット
個人事業主が建設業許可を取得する主なメリットは以下の3点あります。
- 事業規模の拡大: 500万円以上の工事を受注できるようになり、より大規模なプロジェクトに参画できます。
- 社会的信用の向上: 許可取得は、経営能力や技術力、財務基盤が一定水準以上であることの証明となり、取引先や金融機関からの信頼を高めます。
- 融資の可能性: 日本政策金融公庫をはじめとする金融機関からの融資を受けやすくなる場合があります。
建設業許可は、資金調達や取引先との関係構築においても有利に働きます。特に、公共工事の入札参加資格を得るためには、建設業許可取得が必須となります。
建設業許可の種類 – 個人事業主に必要なのは?
建設業許可には、以下の区分があります。
- 工事の種類: 建築一式工事、土木一式工事と27種類の専門工事
- 請負金額:一般建設業と特定建設業(個人事業主は主に一般建設業)
- 営業所の所在地:大臣許可と知事許可(個人事業主は主に知事許可)
許可の種類を誤ると、希望する工事を受注できない可能性があります。将来の事業展開を見据え、どの種類の許可が必要か、専門家である行政書士にご相談ください。
建設業許可の種類についてのご相談はこちらから
【2025年版】個人事業主の建設業許可要件
個人事業主が建設業許可を取得するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
経営業務の管理責任者(経管)
以下のいずれかの経験を持つ方を、営業所ごとに配置する必要があります。
- 建設業の経営業務の管理責任者として5年以上の経験
- 建設業の経営業務の管理責任者に準ずる地位での5年以上の経験
- 建設業の経営業務の管理責任者を補佐する業務に6年以上の従事経験
経管の要件は、経験の証明が難しい場合があります。過去の役職や業務内容を詳細に確認し、適切な証明書類を準備することが重要です。
専任技術者(専技)
許可を受けようとする建設業の種類に応じた、以下のいずれかの資格・経験を持つ方を、営業所ごとに配置する必要があります。
- 国家資格者(例:1級・2級建築士、1級・2級建築施工管理技士など)
- 実務経験者(学歴により必要な実務経験年数が異なります)
- その他、国土交通大臣が個別に認定した者
専技の要件は、資格の種類や実務経験の内容によって細かく規定されています。該当する資格や経験があるか、事前にしっかりと確認しましょう。
誠実性
請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないこと。
万が一、該当する事項がある場合は、正直に行政書士にご相談ください。
建設業許可の要件について不安な点はこちらから
財産的基礎
以下のいずれかを満たす必要があります。
- 自己資本が500万円以上
- 500万円以上の資金調達能力(預金残高証明書、融資証明書などで証明)
財産的基礎は、決算書や預金残高証明書などで証明します。個人事業主の場合、事業用資産と個人資産の区別が重要になります。
建設業許可申請の手続きの流れ
建設業許可申請の主な流れは以下の通りです。
- 申請書類の準備:必要書類は、申請先の都道府県によって異なります。各都道府県のウェブサイトや手引きで確認し、正確に準備しましょう。
- 申請書の作成:各都道府県の様式に従い、申請書を作成します。
- 申請書の提出:営業所の所在地を管轄する都道府県の窓口に提出します。
- 審査:提出書類に基づき、要件を満たしているか審査されます。
- 許可:審査に合格すると、建設業許可が下ります。
申請手続きは、書類の不備や不足があると、許可までに時間がかかることがあります。スムーズな許可取得のためには、専門家である行政書士のサポートが有効です。
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個人事業主と法人の違いは?それぞれの特徴を紹介
個人事業主が建設業許可を取得する場合と法人で取得する場合で異なる事項がいくつかあります。例えば、法人で建設業許可を取得する際に必要な「履歴事項全部証明書」「定款」は個人事業主の場合必要ありません。
ただし、「確定申告書」「個人事業税の納税証明書」など個人事業主のみ提出する書類もあります。
また、従業員が4人以下の個人事業主であれば、雇用保険以外には加入義務がない(1人親方の場合は社会保険の加入義務がない)ため、経費を抑えることができる場合があります。